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[connect24h:02934] Re: 初歩的な質問。



 武田です。

また長いです。ごめんなさい。

> kouichiです。こんにちは。
> 
> 質問ばかりして申し訳ありません。
> 武田さん先ほどは詳細な説明ありがとうございます。

いえいえ、少しでもお役に立てば。

> では、理想的なサーバーを目指すには、"逆引き"も必要って事ですね。

理想は、そう言っていいと思います。

> DynamicDNSのサービスは、"正引き"のみ なんですか?

はい。

> "逆引き"をしてくれる所もあるのでしょうか?

ないと思います。
なぜならIPアドレスの管理権限を持っているのはプロバイダであり、プロバイダ
が権限を委譲をしないかぎり、逆引きの検索を他に向けられないからです。

正引きの場合はドメイン登録をした人が権利者ですから、DynamicDNS に任せる、
ホスティングサービスを使う、DNS サーバを立てるも自由、というわけです。

> 複数アドレス使用を目標にしてます。
> MXレコードがないとAレコードを参照するはずだが、そうしていないサイトもある。

うーん、「あるでしょう」を「あるかもしれません」「あったら困りますから」
程度に弱めて読んでください。私あまり実状に詳しくありませんので。

> DNSの仕組みをマスターする為に、自前のDNSサーバも立てようと思います。
> case 3が妥当な線なのでしょうか・・?

「メールが送れないと商機を逃して1通につき*万円相当の損失」みたいな話にな
る商業サイトならともかく、個人なら、着信拒否されたら「しょーがないなぁ。」
とぶつくさ言いながらプロバイダのメールサーバから出し直せば済みますよね。
「そん時ゃそん時だ、なるようになんべ。」と割りるなら、妥当だと思います。
# 普段からプロバイダのメールサーバを経由するように設定してもいいですし。

またまた質問してもよろしいでしょうか?
httpやSMTPのサーバー公開には、DNSサーバーが必要というのは分かってきましたが、
どのようなDNSサーバーが必要なのかが、いまいち理解できていません。

> DNSサーバーというのは、プライマリとセカンダリが必要なんですよね?

ドメインを取る際に「少なくとも一つのセカンダリ」と言う条件を課せられます
から、必要と考えてください。(.jp ドメインの場合)

正引きはドメイン名(ex; dokosoko.jp )に対して設定するもので、
ネームサーバレコード	NS レコード
アドレスレコード	A レコード
メール交換機レコード	MX レコード
別名レコード		CNAME レコード
などをペアにして、ゾーン ZONE というものを形成します。

逆引きは、IPアドレスに対して設定するもので、
ネームサーバレコード	NS レコード
ポインタレコード	PTR レコード
などをペアにして、逆引きゾーン in-addr.arpa ZONE を形成します。

それぞれについてプライマリマスタサーバ、セカンダリマスタサーバが必要です
が、本来独立したものであるので、同じサーバで賄う必要はありません。
# というか、case 2〜3 では IPアドレスの検索先を変更する権限を持っていま
# せんから嫌でも違うサーバになってしまいます。

でと、次。

DNS の仕掛けについて私が理解している(間違ってるかも)仕組みの説明。
面倒なので ccTLD が .jp の、日本のドメインの場合に限らせてください。

.com や .org など gTLD であれば、Internic とその仲間 :-) が、また .co.jp
や .to のような ccTLD であれば JPNIC などその国の NIC が、管理権限を持っ
ています。自分の「下」のレベルの使いみちを決めて、割譲する権限を持ってい
るわけです。

まず root servers をリゾルバ (DNSを検索するプログラム) に設定します。
BIND であれば、root.cache とか named.root とか、そんな名前のファイルです。
世界共通の root servers に、TLD(Top Level Domain) がどの種類で、何処に訊
ねたらいいかを聞きます。例えば www.fsk.gr.jp は ccTLD が jp ですから、
root server は JPNIC に聞けと JPNIC のネームサーバのIPアドレスを答えます。
次に JPNIC に「お宅の jp の中の、gr って何?」と聞きに行きます。
JPNIC では、gr も JPNIC が管理している旨を返答します。
更に JPNIC に「お宅の jp の中の gr のそのまた中の fsk って??」と聞きます。
すると今度は、「それについては ns.fsk.gr.jp か bf.fsk.gr.jp のどっちかに
聞いて」と言って、これらの IP アドレスを通知します。

ここではじめて、プライマリかセカンダリかいずれかのネームサーバに問い合わ
せが来て、「fsk.gr.jp の中の www やったら 202.224.250.130 やわ。よろしく
ねん。」と、目的の IP アドレスが分かるというわけです。

これを毎回毎回繰り返していると大変なので、ネームサーバにはキャッシュ (情
報を貯えておいて再利用する) の仕組みがあります。

IP アドレスについても、似たようなやりとりが行われます。

つまり、正逆共に、「上位の権利者」が「認知」して設定してくれないと、いく
ら一人で DNS を設定したって誰も見てくれないわけです。

正引きは JPNIC が管理していて、ドメインを取得するとそのドメインの管理権
限を手に入れられますから、DNS サーバーを設けて使うことができます。

しかし IPアドレス はプロバイダが管理していて、DNS の逆引きサーバーもプロ
バイダが管理権限を握っています。だから、プロバイダが「設定するよん。」と
言ってくれなければ、DNS サーバーを設けても使えない、ということで、
例えばインターリンクでは ZOOT + MOOT で、InfoSphere では Biz ADSL8 で、
サービスによって「逆引きを設定します」ということになっているわけです。

と、いうわけで、

> それとも、自前のDNSサーバーには逆引きの指定はできないもんなんですか?

正確には、設定そのものはできますがインターネットの世界は見てくれません。

ということになるのです。
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Y.Takeda   文京女子大学情報教育研究センター/文京学園研究員   _/__==
武田善樹   E-Mail: tak@xxxxxxxxxxxxxx                        O ∞O ...
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