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[connect24h:9039] Re: JRの体質



吉田です。


Ikegi Arata<arata.ikegi@xxxxxxxxxxx> wrote:

> 彼らは予定通り乗務したと報じられていたと記憶しています。彼らが
> 救出活動に当たった場合運休する電車が出て他の乗客に迷惑がかかる
> 可能性はなかったのでしょうか。

この一文を読んで、 JR西日本だけではなく、日本の社会そのものにも
問題が潜んでいる気がしました。

運休する可能性はあったでしょうが、事の軽重を考えれば社会的に
受忍限度内でしょう。

事故現場周辺の人たちが自分の仕事よりも救出活動を優先したことは
世論で評価されていると受け取っていますが、当事者であり救護責任が
あるJRが現場にいる社員にそう指示することを否定するのはおかしい
です。
消防や警察、自衛隊、医療関係者の方々に比べれば、周辺の人達と
JRの運転士さんの救助能力にはそう差が無いでしょう。
救助活動に協力した人々の仕事も遅れたはずですが、それが人命に
関わるような仕事で無い限り、そのことで迷惑を被った人達が救助した
ことを非難するのは的外れだと思います。

#もっと言えば、船舶の遭難事故の場合は、人を招集して救護に
#当たらせる罰則付きの強制権限が、法律で市町村長に認められています。

JR西日本に強迫観念を植え付けているのが利用者なのだとすれば、自分
で自分のリスクを大きくしていることになります。
自分が受けるリスクにあまりに不寛容であると、逆に受けるリスクが
増大するということなのでしょうか?
「情けは人の為ならず」と言いますし。



あと言いたいことの大部分は他の方が仰ってくださっていますので
省きますが、リスクマネージメントの観点から3点だけ挙げておきます。

 1.通常通り乗務した運転士さんの精神状態管理について
    飛び込みで一人撥ねてもショックを受けるので、数日間乗務
    から外す、と聞いたことがあります。まして、あれだけの
    大惨事を目の当たりにして、4回も連絡を入れるくらい気に
    していた直後に運転して、専念できるのでしょうか?
    最初の話のように「気が動転していた」のであれば、その
    ような人に運転させること自体、二次災害を招く恐れが
    あります。
    現場を離れて出社するよう指示を出すときに、本人が動揺
    していて運転できない可能性を考慮しておくのもリスク
    マネージメントの一つだと思います。

 2.企業コンプライアンスの問題について
    あの指示が法令に触れる可能性があります。
    
    「運転の安全の確保に関する省令」
         (http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26F03901000055.html)
    という国土交通省令があり、次のように定められて
    います。

     第一条  この省令は、鉄道及び軌道の運転の業務に
          従事する者(以下「従事員」という。)が常に
          服ようすべき運転の安全に関する規範を定め、
          その安全保持の理念を確立し、もつて輸送の
          使命を達成することを目的とする。
    (規範)
     第二条  従事員が服ようすべき運転の安全に関する規範は、
          左の通りとする。
      (snip)
           二  一般準則
             (十) 事故の処置
              従事員は、事故が発生した場合、その状況を
                   冷静に判断し、すみやかに安全適切な処置をとり、
                   特に人命に危険の生じたときは全力を尽してその
                   救助に努めなければならない。

        「従事員」が現に運転している者だけを指すのか、動力車
    操縦者運転免許を持っている現職の運転士であれば非番で
    あっても該当するのかは分かりませんが、免許を持って
    いれば試験範囲なので当然知っているはずですし、この趣旨
    を汲んだ処置をとるべきでしょう。

    本当に違反する場合、鉄道営業法による刑事処罰の対象に
    なります。
    #嘘をついたことと、きちんと報告した後の職務命令の結果
        #であることを考えると、上司は教唆犯(正犯)として起訴
        #して、社員は起訴猶予にするのが適当だと思います。

    ##私は通信関係の資格をいくつか持っていますが、有資格者
    ##には義務規定と、非従事時でも違反行為に対する刑罰加重
    ##規定が定められています。職業倫理上こういうのが当然だ
    ##と受け止めていました。

 3.感情論と理想論の話について
    冷静に議論しなければならないのは言うまでも無いことです。

    ただし、刑事責任を問う場合は予見可能性や防止可能性など
    の現実論で議論しなければなりませんが、再発防止策を考える
    場合はまず理想論が先で現状をそれに向けてどう改善して
    いくかを考えないといけない、というのが私の意見です。
    何故なら、当事者だけよほど水準が低いのであれば別ですが、
    通常は同業者が似たり寄ったりの現状の中で事故が起こる
    ものなので、現実論で進めると現状追認に終わる恐れがある
    からです。

    確かにJR西日本は重大事故を繰り返していて、いろいろ不手際
    も報道されているので酷いように見えますが、他の事業者が
    特別優れている保証はどこにもありませんし、まずは国土
    交通省の監督によって一定の水準内に管理されていると考える
    のが自然です。

    また、事故調査報告書がJR西日本だけを悪者にしていると、
    他の事業者も同様の原因を抱えている場合に見過ごす危険が
    ありますが、鉄道システムの理想論として議論しておけば
    国土交通省がそれに沿って行政指導や法令整備に動くので、
    全事業者の改善につながるはずです。

    #交通システムの問題として航空、海運にも広げて議論する
    #方向に向かう気がしています。

--
Yoshida Kazuhito  kazuhito.yoshida@xxxxxxxxx, kazuhito@xxxxxxxxxxxx


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