[connect24h:2709] Re: 自宅サーバ運用者の知識

[kobayasi@xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx]

こばやしです

In message <3C6B1731284.A114NORIHIDE@xxxxxxxxxxxxxxxxxx>
norihide@xxxxxxxxx wrote:
 >時代背景を説明すると、1996-1997年ぐらいの出来事で、
 >1)Webサーバそのものがあんまりなかった。#だから探してた。
 >2)ましてやNimdaなんて考えられません。

う〜ん、でも worm 自体はかなり前からありますよね。元祖(?)たる Morris worm
が出現したのは 1988 年ですし。web server を使って拡散する worm が初めて
現れたのが何年かは知らないんですけど、Morris worm が sendmail や fingerd
に対してしたことが、web server に対しても行なわれ得るかもしれないというこ
とは十分に予見できますよね。

また worm ではありませんが、80 番の port scan を誘発しかねない web server の
脆弱性のうち、1996-1997 年頃に発見されたものとしては、

http://www.cert.org/advisories/CA-1996-06.html
http://www.cert.org/advisories/CA-1997-07.html

などがあるようです。
また、phf 目当ての scan が流行ったのもこの頃だったと思います。

 >だから、この管理者はなんて暇人！と呆れて釈然としなかった
 >のかもしれません。

というわけで、その管理者さんには調査を行なう十分な動機が当時でもあったと
思うのですが、いかがでしょうか。

 >> public な web server の 80 番 port は公開されていると言っても良いと思い
 >> ますが、それを任意のホストの 80 番に敷衍するのは非常に違和感を覚えます。
 >
 >それこそ思想の自由を侵害するつもりは全くありませんが、
 >この辺の違和感を説明してもらえると後学のためありがたいです。

まず第一に、80 番が http 用の well-known port として assign されているという
のは「その host で http の serviceを*行なうのであれば*、80 番を使いましょう」
ということであり、そうでない host にとっては何の意味もない port に過ぎないと
考えるからです。そして、何の意味もない port は公開されているとは言えないと
思います。

第二に、80 番で web server が動いているからといって、即それが全世界への公開を
意味するわけではないと思います。例えば以前、いくつかの Linux の distribution
で見られたような無自覚 web server は(たとえアクセスが可能でも)公開されたもの
とは言えないでしょう。もちろんきちんと管理していないのは迂闊以外の何者でもな
いですが、鍵がかかっていないからといって他人の家のドアを勝手に開けることが許
されないのと同様に、このような放置 server へのアクセスを正当化するのは難しい
と思います。

閲覧者はその host で公開 web server が動いているとう推定されるからこそ、その
推定に基づいて well-known port である 80 番に繋ぎにいくわけです。もちろんこの
「推定」には他のサイトからリンクされているということも含まれます。
実際にはこの推定が間違っており、実際には公開 web server が動いていなかったと
いうこともあるでしょう。ですが、そればいわば「事故」であり散発的にしか起こら
ないはずですからそれをもって crack であると考える管理者はいないでしょう。
しかし、機械的に address block を舐めていくようなアクセスは何らかの攻撃である
ことを疑われても仕方がないと思います。
-- 
KOBAYASHI Yoshiaki

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